最近、会社での様々な問題に対して企業では、産業医や総務人事にゆだねるだけでなく、

積極的に社外資源の活用としてカウンセラーのところに行かせ、メンタルケアを受けさせるようになってきた。

以前に比べたら、飛躍的にメンタルケアに対して前向きの傾向にある。

裏を返せば、企業内で対応しきれない状況にあるということもわかる。

 

業務命令でカウンセリングを受けにくる人のほとんどが、なぜ自分がメンタルケアを受けなければ

いけないのかという、非常に懐疑的で、ケアに対して拒絶的な態度で訪れる。

メンタルケアに対してはマイナスイメージが強いため、自分は精神疾患ではないという意識を持って来る。

 

自分はむしろ犠牲者で、組織や上司によって自分一人が嫌な思いをしていて、

毎日我慢しているのは自分だと思っている。

自分は悪くない、悪いのはむしろ周りの人達だという思いが強い。

私は、業務命令を受けた誰もがそう思うのは、むしろ普通の考え方だと思っている。

誰もが自分が悪いことをしていると思いながら生活していることなどはないからだ。

 

「自分では頑張っているいるのにうまくいかない」

「自分では頑張っているのに認めてもらえない」

「なぜか良くならない」

みんなそう思っているのである。

 

その人の全ての状況から、それが何故うまくいかないのかを探っていくのがカウンセラーの役割になる。

それは、本人でも気が付かないものを、まさしく探り出すような感性で対応することになる。

そこには必ず新しい発見がある。

 

誰も自分の歩んでいる人生の幅は限られたもので、

生き方の基準や、正しい正しくないの基準はその人独自のものである。

しかし自分の世界から飛び出して自分を見ることは以外と難しいものである。

一人で考えるのは実際難しい。そこで人生の先輩として、心療対話士として、

別の視点からの捉え方を本人の環境等に合わせて考え、

本人が道を切り開いていくことが重要である。

 

それは押し付けでもなく、指導でもない。

だからコーチングとはいえない。

メンタルケアの領域からもはみ出している。

でも、世の中、自分では「頑張っているのにうまくいかない」と思っている人が大半のような気がする。

 

でも、個々の話しの中で見方、考え方、捉え方をちよっと変えて、

自分の成り立ちを知ることによって、いままでと違った理解となり、

自分が少し変わったことによって周りも変わることをすぐに実感することになる。

 

それが新しい形のカウンセラーとして求められていることだろうと実感する。

予防のためににも、何か嫌だなと思った段階で

カウンセリングを受けることを勧めたい。