
認知症になってしまった家族にとって、元気だった親の姿は自分の脳裏から離れないものです。
その分、少しでも以前の元気だった日常に戻って欲しいと願う気持ちは強い。
認知症において、会話の重要性は一番と考えますが、このことは別に記すことにします。
嗅覚は脳に直接影響を及ぼしている唯一の気管として見直されています。
私が携わったカウンセリングのクライアントにアドバイスをしたところ
これを実践して、施設に入っている認知症の母親が笑顔を取り戻し、会話が自然になってきたのです。
そしてもう一つ、会話以外の耳からの情報による刺激です。
人間の本能を時間が許す限り刺激することは、本来人間の持っている機能を復活させることが
十分可能だということが分かります。
どれだけのことをすれば、認知症の症状から少しでも復活するのかは分かりません。
それは介護する人の、これをしてみよう、こうしてみよう、という気持ち次第になってしまいます。
ただ分かっていることは、毎日ずっとそばにいて嗅覚や聴覚からの脳を刺激し続けなくても、
自分がやれることを、やれる時間にやることでも、十分効果が出るということです。
介護者の自己満足の世界になるかも知れないけれど、やれることはやってみることの
意義は大きいと信じています。
カウンセラーとして、認知症介護の家族に接することが多いからこそ、感じことです。
- 香りの違うアロマオイルを嗅いでもらう・・・何の臭いか当てられるようになりたい。
- 調味料の臭い・・・コショーや山椒のような強い臭いは効果がはっきりしている。
- 食べ物の臭い・・・カレーやピザなど、鼻に当てて臭いの記憶を呼び覚ます。
- 施設の臭い・・・いつも変わらない施設の臭いだけ嗅いでいるのは、脳の刺激には良くない。
- 家族の会話の音・・・家族の自然のやり取りを録音して聴かせる
- 友達や知り合い等の声を聴かせる
- 音楽・・・好きだった曲を聴かせる
- 周辺の音・・・住まいや散歩で聞いたことのある街の様々な音を収録して聴かせる
- よく見ていたドラマや番組の曲・・・ドラマのテーマ曲等を聴かせる
