今は、どの会社でも一人一台の割当てでパソコンがある。
昔に比べたら仕事の能率向上や計算ミスもなく、本来ならいいことづくめのはずである。
ところが思わぬところに弊害が出てきた。
社内でのコミュニケーションが極端に減ってしまったのだ。
ひどいケースでは、自分の目の前の相手にもメールで話しかける。
もちろん返事もメールで返信されてくる。
退社時まで、同じブロックで机を並べているのに同僚と全く会話することもなく
家に帰る。なんだか寂しい話しである。
本人も次第に愛社精神が薄れていき、自分が会社の単なる歯車でしかないという
脱力感にはいってしまう人もいる。
もちろん、どんな環境でもバリバリやる人はいるし、臨機応変に行動して会社を
盛りたてていく人も当然大勢いる。
残念がらコミュニケーションの不足から人間関係が崩れ、マイナス思考に落ちていく人が
最近非常に多くなり、会社でもウツ対策に本腰を入れるようになってきた。
どうしたらいいのだろうかという相談があったので、
取りあえず、社内メールの廃止をしたらどうですかと提案した。
一つの書類や伝達事項にしても相手のところに行き話すことになり、
必然的に相手の目を見ながらの会話となる。
社内は三カ月で一変した。
みんなの顔に笑顔が戻り、気力が出て、ミスも減り、効率が上がったのである。
人は機械を利用するのは良いが、機械に利用されてしまうと、繊細な人の心は傷つく。
あなたの会社で同じような問題があるなら、一度、社内メールをやめてみたらどうだろう。